シャルル・ボードレール
- 生没
- 1821–1867
- 国
- フランス
- 時代
- 19世紀
何をやったか
悪の華(一八五七年)を刊行し、公序良俗違反で有罪判決を受けた。 六篇の削除を命じられ、罰金を科されている。この削除命令が正式に破棄されるのは、彼の死から遠く後の二十世紀になってからである。
詩の主題を拡張した。 都会の群衆、娼婦、腐乱死体といった、それまで詩の主題として認められていなかったものを詩に入れた。美は道徳から独立している、という立場である。
同時に、事物が別の何かの記号であるという考えを提示した。詩篇「照応」では、香りと色と音が互いに対応し合っている。詩は事物を描写するのではなく、その背後にあるものへ通じる。
美術批評家としても活動し、ドラクロワを擁護した。エドガー・アラン・ポーの翻訳者としても知られる。
文学史における位置
象徴主義の起点である。「照応」で示された考えから、ポール・ヴェルレーヌ・アルチュール・ランボー・ステファヌ・マラルメへ至る系譜が始まり、詩は意味を伝える道具であることをやめていく。この方向は二十世紀の詩とその理論の出発点になった。
近代都市を主題にした最初の詩人の一人でもある。「現代生活の画家」で論じたモデルニテ(近代性)の概念——移ろいやすく偶然的なものの中に美を見出す——は、後の芸術論に長く影響した。
ギュスターヴ・フローベールのボヴァリー夫人と同じ一八五七年に起訴され、片方が有罪、片方が無罪という対比は19世紀を象徴する事件として語られる。
代表作
何から読むか
悪の華だが、訳によって印象が大きく変わる。 韻文の格調を取るか、意味の平明さを取るかで選択が分かれるため、書店で読み比べる価値がある。
詩集全体を通読する必要はない。「照応」「旅への誘い」など有名な詩篇から入り、気に入ったものを繰り返し読む方が向いている。
この先へ
- 時代の中で見る: フランス文学 19世紀
- 関連する思潮: 象徴主義