ポール・ヴェルレーヌ
- 生没
- 1844–1896
- 国
- フランス
- 時代
- 19世紀
何をやったか
詩における音楽性を最優先した。 「何よりもまず音楽を」と詩論で書いている。意味の明確さより、音の連なりと曖昧さを重んじた。
奇数音節の詩行を多用するなど、フランス詩の定型を内側から緩める試みを行った。これは後の自由詩への移行を準備することになる。
アルチュール・ランボーとの関係が生涯を決定づけた。十六歳のランボーから手紙を受け取り、パリに呼び寄せ、家庭を捨てて放浪した。一八七三年、ブリュッセルでランボーを銃で撃ち、投獄された。
獄中で信仰に向かい、その後の詩集には宗教的な主題が現れる。晩年は困窮のうちに過ごした。
文学史における位置
シャルル・ボードレールから始まる象徴主義の系譜にあり、その音楽性の側面を代表する。
評論『呪われた詩人たち』(一八八四年)で、当時忘れられていたアルチュール・ランボーとステファヌ・マラルメを世に出した。この本がなければ両者の受容は大きく遅れた可能性がある。文学史における編集者・紹介者としての功績が大きい。
日本の近代詩への影響が特に大きい。上田敏の訳詩集『海潮音』などを通じて紹介され、その音楽性が日本語の詩の形成に作用した。 萩原朔太郎らの口語自由詩の背景にある。
代表作
- 『土星人の歌』(一八六六年)— 第一詩集
- 『よき歌』(一八七〇年)
- 『言葉なき恋歌』(一八七四年)— 獄中期を含む
- 『呪われた詩人たち』(一八八四年)— 評論。ランボーらを紹介した
何から読むか
訳詩から入るのが現実的である。 音楽性が身上の詩人なので、原語の音を再現できない翻訳では失われるものが大きい。複数の訳を読み比べる価値が特に高い。
有名な詩篇(「秋の歌」など)から入り、気に入ったものを繰り返し読む方が向いている。
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- 時代の中で見る: フランス文学 19世紀
- 関連する思潮: 象徴主義
- 関係の深い詩人: アルチュール・ランボー