ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
- 生没
- 1749–1832
- 国
- ドイツ
- 時代
- 古典主義・ロマン主義
何をやったか
活動の範囲が異常に広い。 詩、小説、戯曲に加え、色彩論や植物学などの自然科学の著作も残し、ヴァイマル公国の政治にも参与した。
若きウェルテルの悩み(一七七四年)は、報われない恋の末に自殺する青年を書いた書簡体小説である。ヨーロッパ全土で熱狂的に読まれ、主人公の服装を真似る流行が起き、自殺の連鎖が起きたとも言われる。 ただしこの「ウェルテル効果」の実態については検証が必要である。
ファウストは、第一部が一八〇八年、第二部が死の翌年の一八三二年に刊行された。構想から完成まで六十年近くをかけている。 知識に絶望した学者が悪魔と契約する話だが、第二部は寓意的で難解である。
ヴィルヘルム・マイスターの修業時代は、主人公が経験を通じて成長する構造をとり、教養小説(ビルドゥングスロマン)の型を確立した。
文学史における位置
ドイツ文学を国際的な位置に押し上げた。 それ以前のドイツ語文学はヨーロッパの周辺にあったが、ゲーテ以後は中心の一つになる。
フリードリヒ・シラーとともにヴァイマル古典主義を形成した。ここで注意が要るのは、この「古典主義」はフランス17世紀の古典主義とは別物だという点である。時期も百年以上ずれ、規則の体系も異なる。同じ訳語が当てられているために混同されやすい。
初期の若きウェルテルの悩みは疾風怒濤(シュトゥルム・ウント・ドラング)の代表作で、感情の噴出を肯定する点でロマン主義の先駆にあたる。だが後にゲーテ自身はロマン主義と距離を取った。一人の作家の中で立場が変わっているため、単純な分類は成立しない。
「世界文学」という概念を提唱したことでも知られる。
代表作
- 若きウェルテルの悩み(一七七四年)— 熱狂的に読まれた書簡体小説
- ヴィルヘルム・マイスターの修業時代(一七九五〜九六年)— 教養小説の型を作った
- ファウスト(第一部一八〇八年/第二部一八三二年)— 生涯の大作
- 『イタリア紀行』(一八一六〜一七年)— イタリア旅行の記録
何から読むか
若きウェルテルの悩みが短く、感情が直接的で、当時の熱狂の理由が体感できる。
ファウストは第一部だけなら読み通せる。第二部は寓意が積み重なり、註なしでは難しい。 全体を読破することを目標にしないほうがよい。
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