ヴァージニア・ウルフ
- 生没
- 1882–1941
- 国
- イギリス
- 時代
- 20世紀以降
何をやったか
内面の時間を書いた。 ダロウェイ夫人(一九二五年)は、パーティを準備する一日の中で、人物たちの意識が過去へ現在へ揺れ動く様子を追う。灯台へ(一九二七年)では、中間部で十年の歳月が数十頁で流れ去る。
外的な事件ではなく、意識に映るものを書くという方法である。ジェイムズ・ジョイスと並んで意識の流れの代表とされるが、ウルフのほうが文体は抑制されている。
評論『自分ひとりの部屋』(一九二九年)では、女性が小説を書くには金と鍵のかかる部屋が要ると論じた。文学の問題を経済の問題として言い切った点で、今も引かれ続けている。
夫とともにホガース・プレスを設立し、T・S・エリオットらの作品を刊行した。出版者としても二十世紀文学に関与している。
生涯にわたって精神の不調に苦しみ、一九四一年に入水して没した。
文学史における位置
モダニズムを代表する。ブルームズベリー・グループの中心にあり、当時の知識人の交流の結節点でもあった。
小説技法の面では、ジェイムズ・ジョイスの言語実験とは別の方向を取った。ジョイスが文体を章ごとに変える外向きの実験をしたのに対し、ウルフは意識の推移そのものを滑らかに書く方向へ進んだ。
『自分ひとりの部屋』は、フェミニズム批評の古典として現在も参照される。シモーヌ・ド・ボーヴォワールの『第二の性』(一九四九年)より二十年早い。
代表作
- ダロウェイ夫人(一九二五年)— 一日の意識
- 灯台へ(一九二七年)— 時間の経過を書いた中間部が有名
- 『オーランドー』(一九二八年)— 性別と時代を越えて生きる主人公
- 『自分ひとりの部屋』(一九二九年)— 評論
何から読むか
評論『自分ひとりの部屋』から入る手がある。 論旨が明快で、小説の背景にある問題意識が分かる。
小説ならダロウェイ夫人である。筋を追おうとすると戸惑う種類の作品なので、意識の移り変わりに乗る読み方に切り替える必要がある。
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