ダニエル・デフォー

長い巻き毛のかつらをつけたダニエル・デフォーの油彩肖像画。
ネラー派
原綴
Daniel Defoe
生没
1660頃–1731
出身
ロンドン
イギリス
時代
17-18世紀

生涯

1660年頃、ロンドンの商人の家に生まれた。自身も商人として身を立てようとしたが事業に失敗し、破産を経験している。政治や社会の問題を論じる無数の評論や小冊子を書き、時の政府のために情報を集める密偵の役も果たした。政府を風刺した文章のために、さらし台の刑を受けたこともある。

小説を書き始めたのは、六十歳に近くなってからである。ジャーナリストとして事実を細かく積み上げる技術を、そのまま物語に持ち込んだ。

作風

作品は、実在の人物が自分の体験を書き残した手記や日記であるかのような形をとる。一人称で、日付や数量や道具の名まで具体的に記していくため、作り話でありながら本当の記録のように読める。この事実らしさ(迫真の写実)が、デフォーの小説の核にある。

作品

ロビンソン・クルーソー(Robinson Crusoe)(1719年)は、難破して無人島にただ一人流れ着いた男が、道具を作り、作物を育て、住まいを築いて、二十八年を生き抜く物語である。何をどうやって手に入れたかが克明に語られ、孤独のなかで人がいかに生きるかを描いた。

このほか、盗みと結婚を重ねて生き抜く女を描いた『モル・フランダーズ(Moll Flanders)』、ロンドンを襲った疫病をルポルタージュのように記した『疫病の年の記録(A Journal of the Plague Year)』を残した。

文学史における立ち位置と影響

デフォーは、事実らしく語る散文の物語によって、近代小説の祖の一人に数えられる。ロビンソン・クルーソーは、絶海の孤島でただ一人生き抜くという原型的な物語として、以後おびただしい模倣と翻案を生み、「無人島もの」という型そのものを作った。

平凡な個人の日々の営みを、具体的な事実の積み重ねで描いたその方法は、続くリチャードソンフィールディングらによって、本格的な小説へと展開していく。

作品

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