村上春樹
- 生没
- 1949–
- 国
- 日本
- 時代
- 現代
何をやったか
それまでの日本文学と違う文体を持ち込んだ。 デビュー作『風の歌を聴け』(一九七九年)から、乾いた短い文と、比喩の多い会話が特徴的である。本人は、翻訳を通して英語の構文を意識的に取り入れたという趣旨のことを語っている。
ノルウェイの森(一九八七年)が社会現象的に売れ、作家としての位置が決定的になった。ただしこれは彼の作品の中では例外的にリアリズム寄りで、他の長篇は多くが幻想的な要素を含む。
翻訳者としても活動し、フィッツジェラルド、レイモンド・カーヴァー、サリンジャーなどを日本語に移している。自分の文体の源を翻訳の実践を通して作った面がある。
文学史における位置
日本文学で最も多くの言語に翻訳される作家になった。国際的な読者数という点で、川端康成や三島由紀夫を上回る。
日本の文壇との距離が特徴的である。デビュー時から私小説の伝統とは無縁で、「日本的」とされる要素をほとんど持たない。 この点は安部公房と共通するが、村上の場合はアメリカの大衆文化への親近性という形をとる。
初期は「無国籍的」「軽い」と批判もされたが、一九九〇年代以降は歴史や暴力を主題に取り込むようになった。『ねじまき鳥クロニクル』ではノモンハン事件が、『アンダーグラウンド』では地下鉄サリン事件が扱われる。作風は一貫していない。
同時代の評価は今も分かれており、文学史上の位置づけは定まっていないと見るのが正確である。
代表作
- 『風の歌を聴け』(一九七九年)— デビュー作
- 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(一九八五年)
- ノルウェイの森(一九八七年)— 最も売れた作品
- 『ねじまき鳥クロニクル』(一九九四〜九五年)— 歴史と暴力を導入
何から読むか
ノルウェイの森が最も広く読まれているが、幻想的な要素がないため、他の作品とは印象が違う。
初期三部作(『風の歌を聴け』ほか)は短く、文体の特徴が最もはっきり出ている。文体から入るならこちらが分かりやすい。
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