サミュエル・ジョンソン

白いかつらをつけ、口を開いて手を組むサミュエル・ジョンソンの油彩肖像画。
ジョシュア・レノルズ筆
原綴
Samuel Johnson
生没
1709–1784
出身
スタフォードシャー・リッチフィールド
イギリス
時代
17-18世紀

生涯

1709年、スタフォードシャーのリッチフィールドで、書店を営む家に生まれた。幼い頃の病で視力と容姿を損なったが、旺盛な読書で知られた。貧しさのため大学を中退し、ロンドンに出て、原稿料で食いつなぐ苦しい物書きの生活を長く送った。

転機は、一人でほぼ書き上げた『英語辞典』(1755年)である。これによって名声を得て、後には国王から年金を受け、生活の心配から解放された。晩年には多くの文人が周りに集い、その談話が広く伝えられた。若い頃に世話になった友人ジェイムズ・ボズウェルが詳しい伝記を残したことで、その人物像は後世まで生き生きと伝わっている。

作風

文章は、格調が高く均衡のとれた重厚な散文で、ラテン語由来の語を好んで用いた。扱う主題は、人がいかに生きるべきかという道徳的な問いに向かうことが多い。

また、鋭い機知に富む談話の名手でもあった。日常の話しぶりのなかで放たれた警句の数々が書きとめられ、その言葉そのものが一つの作品のように読み継がれている。

作品

『英語辞典(A Dictionary of the English Language)』(1755年)は、四万を超える語に、用例を添えて意味を示した辞書である。それを一人でほぼ成し遂げた。以後1世紀以上にわたり、英語の規範を示す辞書として使われた。

道徳をめぐる寓話『ラセラス(Rasselas)』、詩人たちを論評した『詩人伝(Lives of the Poets)』、シェイクスピアの校訂版など、批評・随筆・伝記の各方面に仕事を残した。

文学史における立ち位置と影響

ジョンソンは、18世紀後半のイングランドの文壇に君臨し、その時代は「ジョンソンの時代」と呼ばれる。一人で編み上げた『英語辞典』は、言葉の規範を個人の手で定めた記念碑であり、後の辞書づくりの土台になった。

『詩人伝』に見られる、作品を具体的に読み込んで論じる批評の姿勢は、英語文学批評の一つの手本になっている。加えて、ボズウェルの伝記を通して語り伝えられたその談話と人柄によって、作品を超えて記憶される稀有な文人となった。

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