ベン・ジョンソン

- 原綴
- Benjamin Jonson
- 生没
- 1572–1637
- 出身
- ロンドン
- 国
- イギリス
- 時代
- ルネサンス
生涯
1572年、ロンドンに生まれた。継父はれんが職人で、正規の教育は受けていない。兵士として従軍したのち、俳優兼劇作家として舞台の世界に入った。決闘で相手の俳優を殺し、聖職者の特典によってかろうじて絞首刑を免れるなど、若い頃は荒々しい経歴を重ねている。
やがて古典の学識に裏打ちされた作品と辛口の批評で文壇の中心に立ち、宮廷の祝祭のための仮面劇も数多く手がけた。国王から年金を受け、事実上の桂冠詩人と目された。晩年には若い詩人たちが「ベンの息子たち」を名乗って慕い、その周りに集まった。
作風
古代ローマの喜劇を範として、規則を重んじる引き締まった劇を書いた。中心にあるのは、登場人物それぞれを一つの支配的な性質(強欲、嫉妬、見栄など)に凝り固まった存在として造形し、その滑稽さを暴く方法である。これは当時「気質」と呼ばれ、この型の喜劇を気質喜劇という。
社会の悪徳や愚かさを鋭く笑いのめす一方、簡潔で端正な抒情詩でも知られた。
作品
『ヴォルポーネ(Volpone)』は、財産目当てに群がる者たちを、死にかけたふりをした富豪が手玉に取る喜劇で、人間の強欲を容赦なく戯画化する。『錬金術師(The Alchemist)』は、金を欲する人々を、いかさま師たちがだましていく笑劇である。
初期の『十人十色(Every Man in His Humour)』は気質喜劇の代表作で、シェイクスピアもこの初演に俳優として加わったと伝えられる。
文学史における立ち位置と影響
ジョンソンは、シェイクスピアと並ぶジェイムズ朝の中心的な劇作家である。古典の規律と社会風刺を英語の喜劇に持ち込み、王政復古期から18世紀にかけての喜劇に大きな型を残した。
端正な抒情詩と歯に衣着せぬ批評は、次の世代の詩人たちの手本になった。その意味で、劇と詩と批評の三方向で、後の一時代を導いた作家である。